オペラアリアなどを省くと、声楽の演奏時に、もっと大事なことの一つは、
演奏曲ごとに、自分の声にマッチした高さで歌うこと。
これは、とても大きなポイントです。
私の作成する伴奏などは、低声、中声、高声と一つの曲でいくつかの高さで
作成しています。
特に音域が広い方は、どの調でも歌えるでしょうし、曲ごとに数種類の高さで
歌う練習もいいです。
が、ここで気をつけねばならぬことがあります。
1.たとえば自分の声が中声の場合、低声は楽に歌えるが、ここでばかり
練習しないこと。身体が「楽して歌うこと」を覚えてしまうから。
2.やはり中声の人が、曲になじまないうちから中声でばかり歌うことも避ける。
その調で、かなり高い音域があった場合、発声的に無理を続けたりすることになるから。
慣れぬうちは、ひたすら楽な音域で「リズム唱」をするとか、慣れてきたら
「低声用の伴奏」で全体を通しで歌うなどがいいでしょう。
3.中声の人が、高声でも歌えるとしても、無理に高すぎる調では歌わないこと。
のどが詰まる。
4.場合によっては、いかに全体を歌えるようになったからといって、いつも通しで歌わぬこと。
大事なことは「通せる」ことより、それぞれの個所を適した声(発声)で歌えること。
だから、発声的に崩れやすい部分を「休み休み繰り返す」 「原語がたくさんあり発音しにくい
などの部分を中心に練習」など工夫すること。
5.自分の身体が楽であるから、とか、出しやすいからという理由で曲の調を決めることも
危険が潜んでいる。
出やすくはなく、どちらかというと身体も精神的にもしんどいう高さの方が適する場合も少なくない。
これらの判断は自分で勝手に決めず、指導を受ける先生の耳を信用しよう。
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すでに声楽を学び始めて30年を超えた自分を振り返っても、
一つの歌曲を歌うことは、その年代ごとに自分の身体の反応が大きく異なってくるので
ベストと思える高さも、結構変わってきたことを痛感している。
今後5年、10年、20年と過ぎればなおのこと。
10年単位で歌をとらえれば、曲ごとに、自分のベストと思える調(歌う高さ)は、
一つではないと知っておくとよいでしょう。
(オペラアリアのように、基本的に調が決められている場合を除き、歌曲の場合)